街でお見かけする女性を眺めて、つくづく感心することがあります。
「皆さん、スマートだなぁ」
肥満は生活習慣病の元凶であり、ビジュアル的にもN.G.だと思われているからだと思われます。肥満度の指標としてよく使われているものとして、BMI(肥満指数)という数値が使われています。
BMIが18.5未満をやせ、18.5以上25未満を正常、25以上を肥満と判定しています。
では、実際に肥満は生活習慣病による死亡にどれだけ関与しているのでしょうか?
35万人の日本人での肥満指数と生活習慣病での死亡率を調べた観察研究があります。
J Epidemiol. 2011;21(6):417-30. Epub 2011 Sep 10.
いかがでしょう?
確かに肥満数が高いと、がん、心臓病、脳血管障害(脳卒中)による死亡率が高くなりますが、それは肥満指数が30以上(身長150cmの人で体重68kg以上、160cmで77kg以上、170cmで87kg以上)からです。肥満指数が25以上30未満の軽度肥満の人は男女とも正常体型(18.5≦ BMI <25)の人と三大生活習慣病での死亡率に差はないという結果でした。
注目すべきは、やせ型(肥満指数が19未満;身長150cmの人で体重42kg、160cmで48kg、170cmで55kg)の人)では、逆に心臓病、脳卒中での死亡率は正常体型の人よりも明らかに高いことです。女性では明らかではありませんが、男性ではがんでの死亡率も高いことがわかりました。
この研究では比較的年齢の高い方が研究対象でありますし、体重の変化に関してのデータはない、腹囲の計測(メタボ健診)は検討外という制限はありますが、やせは肥満と同じぐらいの健康への影響があるといえるのではないでしょうか?
健康に歳を重ねるために、しっかり食べる習慣も必要なのでは?、と思っています。